なぜ今も、その場面がふと思い出されるのか?
・昔のひと言が、なぜかずっと頭に残っている
・何かに挑戦しようとすると、怖くなってやめてしまう
・人に優しくされると、どこかで「私なんか…」と心が引く
そう、もう何年も前の出来事。
でもなぜか、その感情だけは、まだそこにいる。
「あの時、悔しかった」
「もっと言いたいことがあったのに言えなかった」
「あれは私のせいだったのかもしれない…」
「怖かった、でも気づかないフリをしてきた」
今回の主人公:Eさん(30代・女性・会社員)の話
Eさんは、職場でも家庭でも“しっかり者”として見られていました。
でも、彼女はこんな悩みを抱えていたのです。
「新しい人間関係を築こうとすると、いつも“怖さ”が出てくるんです」
「“どうせまた傷つく”って、どこかで決めつけてしまう自分がいる」
「相手を信じたいのに、踏み込めない自分が嫌になるんです」
最初は「性格だから仕方ない」と思っていた。
でも、あることがきっかけで、彼女の心が静かに動き始めました。
心のブレーキの正体は、「未処理の感情」だった
セッションの中で、Eさんは中学生の頃の体験を語ってくれました。
親しい友人との関係が突然こじれ、陰口を言われ、孤立した。
その出来事がトラウマになり、「人はいつか裏切るもの」という信念を持ってしまった。
「あのときの“悲しみ”も“怒り”も、“悔しさ”も、“寂しさ”も、
ちゃんと感じきる前に、“大人になる”ことを選んだんです」
感情は“忘れたふり”をしても、心の奥に残り続ける
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自分を守るために封じ込めた怒り
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泣くことを許されなかった悲しみ
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誰にも言えなかった罪悪感
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無力だった過去の恐怖
それらは、思考では整理できていても、
身体と心が「完了した」とは感じていない。
だからこそ、“今のあなた”に影響を与え続けるのです。
Eさんの変化は、「感情に言葉を与えたこと」から始まった
感情を解放するとは、「泣き叫ぶこと」でも「人を責めること」でもありません。
それは、“過去の自分”と、静かに会話するような作業です。
セッションでは、彼女にこう問いかけました。
「あの時の自分に、どんな言葉をかけてあげたいですか?」
「そのとき感じた“本当の気持ち”を、今ならどんなふうに表現できますか?」
すると彼女は、涙を浮かべながら、こう言いました。
「怖かった。でも、ひとりでがんばったよね。…ごめんね、気づかなくて。」
“感情処理”は、行動の再起動スイッチ
不思議なことに、感情を整理すると、
次にやるべきことが“自然に”見えてくるようになります。
なぜなら、感情が滞っていると、思考も行動も鈍るからです。
動けないのは、能力不足じゃない。
心の中に“動けない理由”が溜まっているだけ。
感情未処理の人が、今日からできる3つのこと
1. 「なぜ?」ではなく「何を感じてる?」と問う習慣を持つ
→ 思考を止め、感情に“名前”をつけてあげるだけで、心は落ち着き始める
2. 過去を“変える”のではなく“再定義”する
→ その出来事が“自分に何を与えていたか”を、大人の視点で見直す
3. 感情を“出していい場”を持つ
→ 話す・書く・感じる。「消す」のではなく「流す」ことで、自然と軽くなる
Eさんは、こう言いました。
「“私が止まっていた理由”がわかった瞬間、
その場所から、やっと“歩ける私”が戻ってきた感じがしたんです」
今では、新しい人間関係の中で、
「壁を作らずにいられる」自分を育て続けています。
▼過去の感情を“解放”するリリースセッション
思考ではなく、感情を扱うことで、
あなたの行動・関係性・自己信頼を根本から再起動します。
最後に
過去は変えられない。
でも、“その出来事との関係性”は、今からでも変えられます。
誰にも気づかれなかったあの日の感情を、
今のあなたが“迎えに行く”ことで、人生の流れが変わり始めます。
「今、動けない」その原因は、
“止めている何か”があるというサイン。
それは、あなたを守るために感情を閉じた、
“あのときのあなた”が、まだあなたの中に生きているからです。