“いい人”って、いつからこうも疲れる存在になったんだろう。
・職場では、周囲の空気を読んで、余計なことは言わない
・家では、家族のために自分を後回しにしてしまう
・SNSでも、批判されないように気を使って発信する
あなたは「トラブルのない人」かもしれません。
でも、心の奥では、こう感じていませんか?
「私は、何のためにここにいるんだろう」
「“ちゃんとした私”を演じるのに、もう疲れてしまった」
「誰かのためにばかり動いてきたけど、“本当の私”って、何がしたいの?」
今回の主人公:Nさん(30代・女性・パートタイム勤務)の話
Nさんは、職場でも家でも「気が利く人」として信頼されていました。
子育てと両立しながら、家事も仕事も責任感をもってこなしていた。
でもある日、ふとこんな言葉をこぼしたのです。
「…私、最近、笑うのが下手になった気がします」
「楽しいことも、嬉しいこともあるはずなのに、
どこかで“喜んでいいのかな”ってブレーキをかけてるんです」
“人の期待に応える”ことで、自分が消えていく
Nさんは、無意識のうちに「人の期待=自分の価値」と思い込んでいました。
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褒められたときだけ、自分を認められる
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誰かに頼られていないと、不安になる
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迷惑をかけるくらいなら、自分が我慢すればいいと思ってしまう
そんな日々が積み重なるうちに、
自分の本音を感じる力そのものが、鈍っていったのです。
あなたは「我慢強い人」ではなく、「自分を置き去りにしてきた人」かもしれない
「自分のことより、相手のことを優先してしまう」
それは、優しさの表れでもあるけれど──
“他人の目”を通してしか、自分の存在価値を感じられない状態が続くと、
いずれ「私は誰?」という感覚に襲われてしまいます。
Nさんの変化は、「本音に耳を傾けること」から始まった
セッションではまず、彼女にこんなワークをしてもらいました。
「今日、自分が“本当はやりたくなかったけど、やったこと”を5つ書き出してください。」
最初は言葉に詰まっていた彼女。
でも少しずつ、自分の“我慢の履歴”が浮かび上がってきました。
「子どもが残したご飯を、もったいなくて食べた」
「職場で急な頼まれ事を断れなかった」
「夫に相談したかったけど、機嫌を損ねたくなくてやめた」
そして、こう言いました。
「…誰にも強制されたわけじゃない。
でも、“そうするしかない”って、どこかで思い込んでたんですね」
“いい人”をやめるのは怖い。でも、本音を殺し続ける方が怖い。
本音を出せば、嫌われるかもしれない。
怒られるかもしれない。
軽蔑されるかもしれない。
でも──
それ以上に怖いのは、「本当の自分」がこのまま“無かったこと”にされてしまうこと。
他人軸から、自分軸へと還っていく3つのステップ
1. “自分の声”を拾う習慣をもつ
→ 今日、何を感じたか? 何に嫌だと反応したか? 書き留めるだけでいい
2. 小さなNOを練習する
→ コンビニでレジ袋を断る/家族に「今は無理」と言ってみる/「好きじゃない」と口に出す
3. “無条件に存在していい自分”を育てる
→ 何もしなくても価値があるという前提で、静かな時間を持つ(自己承認・セルフケア)
Nさんは、こう言いました。
「“本音を出す”って、自己主張じゃなくて、“自分と仲直りすること”なんですね」
「ようやく、自分の味方になれた気がします」
▼「他人軸を手放し、自分軸を取り戻す」リバランスセッション
“いい人”をやめることが、人生の扉を開く第一歩かもしれません。
他人の期待ではなく、自分の願いで動ける日常を、いまここから。
最後に
人の期待に応え続ける人生には、“限界”があります。
でも、“自分の願い”に応える人生には、“自由”が生まれます。
あなたは、もう十分に与えてきました。
今度は、自分自身に与える番です。
「他人のために」ではなく、
「本当の私のために」生きる。
その選択をすることは、わがままではなく、
あなたの人生に責任を持つということなのです。